前田裕二さん名古屋講演会レポ|『メモの魔力』を事実・抽象化・転用で振り返る

前田裕二さん名古屋講演会レポ・メモの魔力

2019年2月1日、名古屋・大須で開催された前田裕二さんの講演会「ナゴヤ再興計画」に参加しました。

当時の私は、前田さんの著書『メモの魔力』を読み、メモを通して思考を深める考え方に強く惹かれていたからです。

講演会では、書籍『メモの魔力』の大ヒットの裏側、個の時代の生き方、努力を続けるコツ、地方から発信する意味など、たくさんのテーマが語られました。

うさこ

この記事では、前田さんが提唱する「事実・抽象化・転用」の考え方を借りながら、当時の講演内容を今の自分の視点で振り返ってみます。

前田式メモそのものは、正直なところ私には続きませんでした。

それでも、ブログを書き続けること、noteを毎日更新すること、ジャーナリングで自分の気持ちを整えることの中に、あのとき聞いた「書くことで思考を深める」という考え方は、形を変えて残っているように感じています。

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2019年、前田裕二さんの講演会に参加して

前田裕二さんの講演会「ナゴヤ再興計画」が開催されたのは、2019年2月1日。

会場は、名古屋・大須にあるカフェTOLANDの上階でした。TOLANDは、当時西野亮廣さんの講演会やオンラインサロンの集まりなども開催されていた場所で、名古屋の中でも新しい学びや発信に関心のある人が集まる印象のある場所でした。

会場案内

後日、TOLANDさんにはYouTube動画の出演で伺う機会もあり、そのときの様子は別記事にまとめています。カフェTOLANDさんの雰囲気が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。

会のMCは、TOLANDオーナーの新井康陽さん。

カフェTOLANDの経営者新井康陽さん

講演会は通常席と特別席が用意されていて、私はせっかくなら近くでお話を聞きたいと思い、特別席で参加しました。

席は前田さんの表情までよく見える前列真ん中。
テレビや動画で拝見していた方を目の前にして、少し緊張しながらも、とても楽しい時間を過ごしました。

前田裕二さん

前田裕二さんを初めて生で拝見した印象は、映像で見るよりもさらに繊細で、やわらかい雰囲気の方だということでした。

手脚がすらっと伸びた細身の体型で、話し方もとても穏やか。それでいて、話の展開はとても速く、頭の中で整理された言葉が次々に出てくるような印象でした。

当時私は、AbemaTVの「ニシノコンサル」などで前田さんをよく拝見していましたが、画面越しに感じていた優しい雰囲気はそのまま。けれど、実際の講演では、優しさの奥にある思考の深さや、言葉を選びながらも迷いなく伝えていく力を強く感じました。

講演時間は約2時間。メモを取るのに必死な2時間でした。
テーマは「名古屋を盛り上げるには?」という大きな問いを中心に、『メモの魔力』の大ヒットの裏側、個の時代の生き方、愛される人の考え方、努力を続けるコツ、地方で発信する意味など、幅広い内容に広がっていきました。

前田さんの『メモの魔力』で印象的だったのは、メモを単なる記録で終わらせないことです。

起きたことや聞いたことを「事実」として受け取り、そこから本質を考え、自分の行動や日常にどう活かせるかを考える。

この記事は当初イベント終了後すぐに公開した「事実だけを書いたイベントレポート」でした。
今回リライトし、前田さんのメモ術にならって「事実・抽象化・転用」の流れで当時の講演会で聞いた内容を振り返っていきます。

前田裕二さんが語った「メモと思考」の本質

メモの魔力大ヒットは想定内なのか

ここからは、講演会で前田裕二さんが語られていた内容を、当時のメモをもとに振り返っていきます。

講演では「名古屋を盛り上げるには?」というテーマを軸にしながらも、話は名古屋のことだけにとどまりませんでした。

『メモの魔力』が大きく広がった理由、個人が自分の好きなことを仕事にしていく考え方、努力を続けるための仕組み、地方で発信する意味など、ビジネスにも日常にもつながる話がたくさんありました。

当時の私は、話される言葉を追いかけるだけで精一杯でしたが、今読み返してみると、どのテーマにも共通しているのは「表面的な出来事で終わらせず、その奥にある本質を考える」という姿勢だったように感じます。

『メモの魔力』大ヒットの裏側

講演の中では、前田さんの著書『メモの魔力』が大きく広がった理由についても語られていました。

『メモの魔力』が発売されたのは、2018年12月24日

うさ子

講演会が開催された2019年2月1日は、発売からまだ1か月ほどしか経っていない時期でした。

メモの魔力
今も大切に持っている『メモの魔力』。
発売当時の企画に参加し、私のアカウント名も掲載していただきました。

それでも発売直後から大きな反響があり、発売後1週間でかなり早い初速を見せていたそうです。

ただ、前田さんご自身はその時点ではまだ「ヒットした」とは捉えていなかったと話されていました。

本が広がった背景には、発売前から読者を巻き込むような企画をたくさん行っていたことがありました。

うさ子

売るために30個以上の施策を行い、そのうちの2〜3個が当たったと話されていました。

その中のひとつが、Twitterで募集された「人生の軸」の企画でした。

私も当時その企画に参加し、「口を開くときはいつも笑顔で」という言葉を投稿しました。書籍『メモの魔力』235ページには、たくさんの方のアカウント名と一言が掲載されていて、私のアカウント名もその中に載せていただきました。

読者がただ本を受け取るだけでなく、発売前の企画に参加し、その一部として本の中に残る。こうした読者参加型の試みは、参加した側にとってとても嬉しいものです。

メモの魔力235ページ。私の人生の軸掲載箇所
『メモの魔力』235ページより。発売当時の「人生の軸」企画で、私のアカウント名と投稿した言葉を掲載していただきました。
掲載箇所のみ分かるように撮影しています。

そのため『メモの魔力』は、私にとってただ読んだ本ではなく、自分の名前が少しだけ関わっている思い出の一冊でもあります。

前田さんは、本が広がった理由として、編集者である箕輪厚介さんの存在にも触れていました。

ひとつの本が広がっていく背景には、著者の力だけではなく、編集者、読者、発売前から関わった人たちの熱量が重なっているのだと感じました。

個の時代に大切なのは「好き」を掘り下げること

ネットは個にパワーを与える

講演の中で印象に残っている言葉のひとつが、ネットの本質は「個にパワーを与えること」だという話です。

個の時代を生き抜く戦略

会社や組織に属しているかどうかに関係なく、個人が自分の好きなことを発信し、影響力を持ち、やりたいことを形にしていける時代。

その一方で、個人で発信し行動していく人と、まったくやらない、もしくはやれない人との差も開いていくというお話がありました。

うさ子

では、個人が影響力を持つにはどうすればいいのでしょうか。

前田さんは、ネットを使うときは「嘘はばれる」と心得ることが大切だと話されていました。

やりたくないことを無理にやっている姿や、言われたから仕方なくやっている姿は、見ている人にも伝わってしまう。

反対に、自分が本当に好きでやっていることには熱量が宿り、その熱量に周りの人が自然と惹かれ、応援してくれるようになる。

これはネットの良いところでもあり、怖いところでもあるのだと感じました。

だからこそ大切なのは、自分が本当に好きなことを見つけること。

講演の中で、前田さんはご自身のスマホのメモを見せてくださいました。その日の半日だけですでに1万文字を超えるほどのメモが書かれています。

スマホのメモを見せてくれる前田さん
半日で1万文字を超えるスマホメモを見せてくださる前田裕二さん

誰かに言われてメモをしているわけではなく、「メモの人」というポジションを守るために書いているわけでもない。

ただ、メモを取ることが本当に好きだから、自然とそれだけの量を書いてしまう。

その姿を見て、「本気の好き」とはこういうことなのだと感じました。

「中から外」で考える

世間で流行っているものを外側から探すのではなく、自分の内側にある情熱や違和感、憤りから考えること。

うさ子

前田さんは、それを「中から外」の考え方として説明されていました。

外側にある流行を追いかけるのではなく、自分の中にあるものを掘り下げ、そこから事業や発信につなげていく。

その方が、自分の本当の熱量が乗りやすく、続ける力にもつながっていくのだと感じました。

この流れの中で、失敗についてのお話もありました。

前田さんは、失敗とは途中で止めることだと話されていました。
途中で止めてしまえば、そこで失敗として終わってしまう。けれど、止めずに続けていけば、その経験は必ず次の成功につながっていく。

この考え方は、とても前田さんらしい言葉だと感じます。

うまくいかなかった出来事を、そこで終わったものとして見るのではなく、次につながる材料として捉える。これもまた、事実をそのまま受け取るだけでなく、抽象化し、転用していくメモの考え方に近いのかもしれません。

これは、今のブログやSNSの発信にも通じる考え方だと感じます。

本気の好きの見つけ方

うさ子

では、自分の「本気の好き」が分からない場合はどうすればいいのでしょうか。

講演の中では、好きの見つけ方として大きく2つの方法が語られていました。

ひとつめは、自分自身を深掘りすることです。

『メモの魔力』には、自己分析のための1000問が掲載されています。
すべてに答えるのは大変でも、最初の100問に取り組むだけでも、幼少期からの自分をかなり深く掘り下げることができると話されていました。

自分がどんなときに幸せを感じるのか。なぜそう思うのか。今の自分の価値観は、どんな経験から生まれているのか。

幼いころからの記憶や感情をたどることで、自分の中にある「好き」や「大切にしたいこと」のヒントが見えてくるのだと感じました。

ふたつめは、「タコワサ理論」です。

たとえば、タコワサを食べたことがない人は、自分がタコワサを好きかどうか判断できません。実際に口にしてみて初めて、「好き」「苦手」「思っていたよりおいしい」と分かります。

それと同じように、まだ経験していないことの中に、自分にとっての「好き」が隠れていることもあります。

自分を深掘りするだけでは見つからない好きもある。だからこそ、いろいろな人に会い、いろいろな価値観に触れ、経験の幅を広げることが大切なのだと話されていました。

この部分を手助けするものとして、『メモの魔力』にはTwitterで募集された「人生の軸」も掲載されています。

たくさんの人の人生の軸に触れることで、「この考え方は自分に近い」「この価値観は自分とは少し違う」と感じることができます。

さらに、気になった人のアカウントを見に行けば、その人が日々どんな言葉を発信しているのかを知ることもできます。

リアルで多くの人に会い、多くの価値観に触れようとすると、時間も費用もかかります。けれどSNSを使えば、たくさんの人の考え方に触れることができます。

自己分析で自分の内側を掘り下げること。
そして、外の世界に触れて、まだ出会っていない価値観や経験を増やしていくこと。

この両方から、自分にとっての「本気の好き」を見つけていくのだと感じました。

愛される人は、人を愛することが得意

講演の中では、「愛される秘訣」についての話もありました。

愛される秘訣

この質問は、前田さん自身が多くの人から愛されていることを受けて、「どうしたら前田さんのように愛される人になれるのか」という我々参加者側からの問いでした。

愛されるのが上手いのではなく、愛することが得意

この質問に対して、前田さんは、自分は愛されるのが上手いのではなく、人を愛することが得意なのだという趣旨のことを話されていました。

この言葉は、当時とても印象に残りました。

人から好かれようとするのではなく、まず自分が相手に関心を持つこと。相手の背景や人生を想像しながら接すること。

愛される人になるためには、先に自分から相手を好きになる力を育てることが大切なのだと感じました。

苦手な人を好きになる練習

前田さんは、人を愛することを得意にするために、日常の中で「好きになりにくい人」を好きになる練習をしていると話されていました。

その例として出てきたのが、タクシーの運転手さんとのやり取りです。

まずは相手の名前を確認し、そこから話題を作って、自分から話しかけていくそうです。

たとえば、その方のお名前が「次郎さん」だった場合、「次男さんですか」といったように、名前から想像できることをきっかけに会話を始める。

そして、そこで終わるのではなく、その方が生まれたときのことまで想像を巡らせるのだそうです。

次郎さんが生まれたとき、お父さんはどんな気持ちだったのか。お兄さんは3歳か4歳くらいだったのかもしれない。一緒に病院へ駆けつけたのかもしれない。そのとき家族でどんな会話をしたのだろう。

そんなふうに、その人の人生の始まりから現在までを想像しながら話しかけていく。

すると、タクシーを降りる頃には、その人のことが好きになっていて、別れが急に寂しくなるのだそうです。

今乗ったタクシーの運転手さんとは、もう二度と会うことがないかもしれない。

そう思うと、短い時間の出会いにも温度が生まれます。

前田さんは、タクシーを降りるときに、その寂しさや感謝を伝えることもあるそうです。すると、運転手さんから飴をもらうこともあるのだとか。

前田さんは、その飴の数を「自分が人を好きになる練習をした数」のように捉えていると話されていました。

この話は、私にとってとても新鮮でした。

タクシーをただ移動手段として使うのではなく、目の前の人を好きになる練習の場にしている。そこに、前田さんらしい人との向き合い方を感じました。

身近な人に笑顔で話しかける

この考え方は、特別な場面だけでなく、日常の中でも実践できるものだと話されていました。

職場の人、マンションの清掃をしてくださる方、いつも少しだけ顔を合わせるけれど、それ以上は話さない人。

そうした「すれ違うだけの人」は、身の回りにたくさんいます。

今度そういった方に会ったら、明るく、目を見て、笑顔で話しかけてみる。話題は今日の天気のような、ささやかなことで十分。

その小さな繰り返しで、少しずつ距離が縮まり、相手への見え方も変わっていくのだと思います。

身近な人に優しく接する練習を重ねていけば、本当に大切な人たちには、さらに高い温度で接することができる

難しく感じる場合は、ゲーム感覚でもいいので、苦手だと思う人の好きなところを探してみる。

そんなふうに日々の中で人を好きになる練習を重ねることが、結果として愛される人になることにつながっていくのだと感じました。

単なるコミュニケーション術ではなく、相手の背景を想像する習慣の話として、今でも心に残っています。

努力を続けるには、努力を習慣に変える

努力についての話も、とても濃い内容でした。

努力し続けるコツ

前田さんは、努力を努力と思わないくらい習慣化することが大切だと話されていました。

努力を習慣に変える2つの方法

努力を習慣に変える方法は、大きく2つあるというお話でした。

ひとつめは、最初から努力だと思わないくらい好きなことをやることです。

たとえば、猫の動画を見るのが好きな人が、1日に20本の猫動画を見たとしても、それは本人にとって努力ではありません。好きだから自然と見ているだけです。

このように、自分が本当に好きなことは、頑張って続けようとしなくても自然と生活の中に入っていきます。

ふたつめは、高いモチベーションを持ち続け、努力が習慣に変わるところまでやり続けることです。

こちらは、最初から好きで自然にできることとは違い、とてもエネルギーを使います。

続けているのに、なかなか習慣に変わらないこともあります。それでも続けるためには、自分を動かす燃料が必要になります。

モチベーションの原料を映像で持つ

前田さんの場合、その燃料になっているのは、自分の人生に対する憤りだと話されていました。

この内容は『メモの魔力』の中にも書かれていますが、子どものころにどうしても勝てなかったライバルの女の子への強い思いが、努力の源になっているそうです。

何かを諦めそうになったときに、いつもその女の子の姿が頭に浮かぶ。

それが映像としてはっきり浮かぶからこそ、「ここでやめるわけにはいかない」と思えるのだと話されていました。

努力を習慣に変えるには、自分のモチベーションの原料を、ただ言葉として持つだけでなく、映像として思い出せる状態にしておくことが大切なのだと感じました。

過去の悔しさや憤り、強く心が動いた出来事を自己分析で掘り下げてみる。

そのとき、自分は何に反応していたのか。何が悔しかったのか。なぜそこまで強く心が動いたのか。

そうした感情の根っこを見つけておくことで、努力を続けるための燃料になるのだと思います。

自分の中にある仮想のライバルや、忘れられない場面を映像ベースで持っておくこと。

それが、努力を習慣に変えるためのひとつの方法なのだと受け取りました。

話が上手くなるには構造化能力が必要

努力の話から、前田さんの話し方がとても分かりやすいことにも話題が広がりました。

「話が上手くなるにはどうすればいいのか」「仕事ができると思われる話し方になるにはどうすればいいのか」という問いに対して、前田さんは構造化能力が大切だと話されていました。

構造化能力とは、頭の中に図を思い浮かべながら、物事を整理して話す力です。

今回の講演会でも、前田さんは質問に答えるときに、「答えは2つあります」というように、まず数字で全体像を示してから話を展開されていました。

最初に答えの数を示し、そのあとに枝分かれするように説明していく。

そのため、話が速くても、聞いている側は内容を追いやすくなります。

これは、日々たくさんのメモを取る中で、物事を構造的に捉える習慣が身についたからだと話されていました。

メモに書き出すことで、頭の中にある考えを一度外に出すことができます。

そして、似ているものをまとめたり、順番を入れ替えたり、いくつの要素に分けられるのかを考えたりすることで、物事を構造的に捉えられるようになります。

質問に対してぼんやりとしか答えられないときは、答えがいくつあるのかを自分の中で決められていないことが多いのかもしれません。

  • まずは答えをいくつに分けられるのかを書き出してみる。
  • もし答えが4つ、5つ出てきたら、それらを抽象化し、似たもの同士をグルーピングしていく。

この作業を繰り返すことで、物事を整理して捉える力が育っていきます。

メモを日常的に取ることは、ただ記録を残すためだけではありません。

考えを整理し、構造化し、相手に伝わる形にする練習でもあります。

だからこそ、メモを続けることは、話し方や伝え方を上手くすることにもつながっていくのだと感じました。

地方で発信することの強み

講演会のテーマが「ナゴヤ再興計画」だったこともあり、地方で発信することの強みについて語られました。

今勝負するなら東京か「ローカル」か

このときの質問は、「今勝負するなら、東京なのか、ローカルなのか」という内容でした。

それに対して前田さんは、まず「好きなことを、好きな場所でやるのがいい」という趣旨のことを話されていました。

うさ子

東京だからいい、地方だからいい、という単純な話ではなく、自分が本当にやりたいことを、自分が力を出せる場所でやることが大切なのだと思います。

ただ、質問の意図としては「ローカルで勝負するメリットを聞きたい」というものだろうから、として地方で勝負するメリットを3つ挙げて話してくださいました。

地方はストーリーを作りやすい

ひとつめのメリットは、ストーリーを作りやすいことです。

たとえば、「なぜこの場所で起業したのか」という話をするとき、地元との関わりや家族の背景があると、そこに物語が生まれます。

祖父がこの地域の出身だった。祖父がよく話していた言葉が心に残っている。だから自分はこの場所で挑戦したい。

そうした背景があると、聞いた人はただの商品やサービスとしてではなく、その人の想いや歩んできた道のりごと受け取ることができます。

地方で発信する場合、地域に根ざしたストーリーを語りやすく、応援される理由が生まれやすいのだと感じました。

地方はファンコミュニティを作りやすい

ふたつめのメリットは、ファンコミュニティを作りやすいことです。

前田さんは、アイドルのファンには「単推し」と「ハコ推し」があるという例を出されていました。

名古屋のSKE48には、ハコ推しのファンが多いというお話がありました。

これは、個人を応援するだけでなく、「名古屋のグループだから応援したい」という地域への愛着も重なっているからなのだと思います。

地方には、東京に比べて機会が少ないと感じる場面もあります。

「いつも東京ばかりにチャンスが集まる」という感覚があるからこそ、同じ地域にいる人同士で応援し合う気持ちが生まれやすい。

共通の課題意識や地域愛があることで、ファンが結束しやすくなるのも、ローカルで発信する強みなのだと感じました。

地方は競争が少なく、空いている席を狙いやすい

みっつめのメリットは、競争が少ないことです。

東京では、あらゆる分野にすでに強い競合がたくさんいます。

けれど地方では、まだ空いている席が残っていることがあります。

前田さんは、地方と地方を掛け合わせる例として、福岡のもつ鍋の話をされていました。

福岡でおいしいもつ鍋屋さんが東京に出店しても、東京には他にもおいしいお店がたくさんあるため、埋もれてしまうかもしれません。

けれど、名古屋で「福岡で一番おいしいもつ鍋が食べられる」となれば、そこには新しさや分かりやすい魅力が生まれます。

このように、地方と地方を掛け合わせることで、東京では埋もれてしまうものにも、新しい価値が生まれることがあります。

また、YouTube事務所のような例も挙げられていました。

東京にはすでに多くの事務所がありますが、地方にはまだ少ない。だからこそ、空いている席を狙いに行くことができます。

全国で一番を目指すのは難しくても、地域や領域を絞れば「地方No.1」を目指しやすくなる

地方には、まだ誰も取りに行っていない場所や、見落とされている可能性がたくさんあるのだと感じました。

うさこ

これは名古屋という地域の話であると同時に、個人の発信にも置き換えられる考え方だと思います。

大きな市場で埋もれてしまうのではなく、自分が勝負しやすい場所を見極める

そして、その場所で自分の強みやストーリーを磨いていく。

地方で発信することには、そうした戦い方の可能性があるのだと感じました。

名古屋を盛り上げるには、一点突破か掛け合わせ

最後に、「名古屋を盛り上げるためにすべきことは何か」という質問がありました。

名古屋を盛り上げるためにすべきこと

前田さんは、まず「盛り上がる」という言葉には2つの意味があると話されていました。

  • ひとつは、名古屋の外で評価されたり、話題になったりすること。たとえば、名古屋発の何かが全国や世界で注目されるような盛り上がりです。
  • もうひとつは、名古屋の中だけで何かが話題になり、地元の人たちが注目している状態です。

この講演では、主にひとつめの「外に向けて話題になる」という意味で、名古屋を盛り上げる方法について話してくださいました。

愛される名古屋にするには、名古屋発のヒットを作る

愛される名古屋にするには、名古屋発のヒットを作ることが大切だと話されていました。

自分の「本気の好き」から、周りの人が思わず来たくなるようなものを生み出していく。

名古屋に行ってみたい。名古屋でそれを体験してみたい。そう思われるようなヒットを作ることが、街を外に向けて盛り上げる力になるのだと思います。

方法1:一点突破で研ぎ澄ます

周りの人が来たくなるようなヒットを生み出す方法のひとつめは、研ぎ澄ますこと。

つまり、一点突破です。

前田さんは、秋元康さんがよくおっしゃっていた言葉として、「記憶に残る幕の内弁当は無い」という話を紹介されていました。

あれもこれも少しずつ整っているものは、便利ではあっても強烈な印象には残りにくい。

すべての分野で1位を取るのは難しく、すべてが平均点、または平均より少し上くらいでは、人の記憶には残りにくいのだと思います。

だからこそ、「ここだけは誰にも負けない」と言えるものをひとつ作る

一点を研ぎ澄ませることで、強い印象が生まれ、そこからヒットにつながっていくのだと感じました。

方法2:極めたもの同士を掛け合わせる

ふたつめの方法は、掛け合わせです。

AとB、2つのことを掛け合わせることで、新しい価値を作る。

ただし、この場合のAとBは、中途半端なものでは意味がないと話されていました。

それぞれがしっかり極まっているもの同士を掛け合わせるからこそ、強いコンテンツになる。

ここで出てきたのが、よく言われる「1万時間の法則」の話でした。

ひとつの分野に1万時間をかけて磨き、頂点を取る。そのように極めたもの同士を掛け合わせていくことで、新しいヒットが生まれやすくなるのだと思います。

反対に、両方を薄く続けているだけでは、掛け合わせても強さが出にくい。
もちろん、長い年月をかければ、そこから何かが生まれる可能性もあるかもしれません。

けれど、多くの人はあらゆることに挑戦しすぎて、どれも中途半端になってしまいがちです。

まずはひとつの「好き」を決め、そこに特化して、一定の結果を出す。

ある分野で1位になると、そこから他のこともついてくる。ひとつの強みを起点に、延々とコンテンツを生み出せるようになるのだと話されていました。

「頑張る」は、見極めることとやり切ること

講演の中では、「頑張る」という言葉についても印象的なお話がありました。

多くの人は、頑張ることを「やり切ること」だと思っています。
もちろん、決めたことをやり切る力は大切です。

けれど前田さんは、頑張るにはもうひとつ、「見極める」という意味もあると話されていました。

たとえば、山からダイヤを掘るとします。

早く掘れるように筋力をつける。掘るスピードを上げる。これは「やり切る」ための頑張りです。

けれど、そもそもダイヤがない場所をいくら速く掘っても、ダイヤは見つかりません。

その前に、ダイヤがどこにあるのかを見極めることに力を注ぐ必要があります。

つまり、やみくもに努力するのではなく、まずは「どこに努力を注ぐのか」を見極める

そのうえで、決めた場所をやり切る。

うさ子

見極めることと、やり切ること。
この2つがそろって初めて、本当の意味で「頑張る」になるのだと感じました。

高い目標を掲げることで、応援してくれる仲間が集まる

さらに、自分が思うよりも2倍、3倍高い目標を掲げることも大切だと話されていました。

自分ひとりだけが達成できる小さな目標ではなく、周りの人も一緒に向かいたくなるような高い目標を掲げる

すると、その目標に共感してくれる人や、応援してくれる仲間が自然と集まりやすくなります。

名古屋を盛り上げるという大きなテーマも、ひとりで抱えるものではなく、周りを巻き込みながら育てていくものなのだと思います。

一点突破で強みを作ること。

極めたもの同士を掛け合わせること。

そして、どこに力を注ぐのかを見極めたうえで、やり切ること。

この考え方は、当時よりも今の自分の方が深く受け取れる気がしています。

ここから学べること

ここまで、講演会で前田裕二さんが話されていた内容を、当時のメモをもとに振り返ってきました。

発売直後の『メモの魔力』の熱量、個の時代の生き方、人を愛する姿勢、努力の続け方、地方で発信する意味、そして名古屋を盛り上げるための考え方。

うさ子

どの話も濃く、当時の私はとにかくメモを取ることに必死でした。

ただ、今あらためて読み返してみると、講演全体に共通していたのは「物事をそのまま受け取らず、自分の中で一度深く考える」という姿勢だったように感じます。

メモは記録ではなく、考えるための道具

『メモの魔力』というタイトルから、当時の私は「メモをたくさん取ること」に意識が向いていました。

けれど、前田さんが伝えていたのは、ただ情報を残すことではなかったのだと思います。

目の前で起きたこと、聞いたこと、感じたことを一度書き出し、そこから本質を考える。

そして、自分の行動や発信にどう活かすかまで考える。

メモは、記録を残すためだけではなく、考えを深めるための道具なのだと感じました。

「好き」は外から探すより、自分の中を掘る

講演の中で何度も出てきたのが、自分の「本気の好き」を見つけることでした。

流行っているからやる、人に言われたからやる、ではなく、自分の中にある情熱や違和感から考える。

その方が熱量が乗り、続ける力にもなり、周りの人にも伝わっていく。

これは、ブログやSNSで発信を続けるうえでも、とても大切なことだと思います。

続ける力は、才能よりも仕組みで作る

努力についての話では、努力を努力と思わないくらい習慣化することが大切だと語られていました。

好きだから自然と続くこともあれば、強いモチベーションを燃料にして続けることもあります。

どちらにしても、ただ気合いで頑張るのではなく、続けられる形にしていくことが大切なのだと感じました。

これは、毎日のnote更新やブログのリライトにも通じる考え方です。

尖った強みは、地方でも個人でも武器になる

地方で発信する話や、名古屋を盛り上げる話の中では、「一点突破」や「掛け合わせ」の大切さも語られていました。

何でも平均的に整えるよりも、ひとつの強みを磨くこと。

そして、極めたもの同士を掛け合わせることで、新しい価値を作ること。

これは地域だけでなく、個人の発信にもそのまま置き換えられる考え方だと思います。

大きな場所で埋もれてしまうのではなく、自分が勝負できる場所を見極める。

そのうえで、自分らしい強みを磨いていくことが大切なのだと感じました。

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今の自分に置き換えてみる

ここまで振り返ってみると、前田さんの講演会で語られていたことは、当時よりも今の自分の方が受け取りやすくなっているように感じます。

当時の私は、『メモの魔力』を読んで「すごいメモ術だな」と思っていました。

ただ、前田式メモを自分でも続けられるかというと、正直なところ難しかったです。

私は前田式メモを続けられなかった

前田式メモは、ノートを「事実・抽象化・転用」に分けて書いていく方法です。

聞いたことや見たことを、ただの記録で終わらせず、そこから本質を考え、自分の行動にどう活かすかまで考える。

とても理にかなった方法ですし、思考を深めるための優れた仕組みだと思います。

けれど、私には少し難しく感じました。

書く場所を分けることや、毎回「抽象化」「転用」まで考えることに意識が向きすぎて、自然に書くというより、きちんと書かなければいけないような感覚になってしまったのだと思います。

そのため、前田式メモそのものは、私の中では習慣として続きませんでした。

それでも、今のnoteやジャーナリングには通じている

ただ、前田式メモを続けられなかったからといって、あの考え方が自分の中に残らなかったわけではありません。

今、私はnoteに日々の気づきを書いたり、手帳にジャーナリングをしたりしています。

その中で自然とやっていることを振り返ると、実は「事実・抽象化・転用」に近い流れがあることに気づきます。

今日あったことを書く。

そこから、自分はなぜそう感じたのかを考える。

そして、明日から少し変えてみたいことや、次に活かせそうなことを見つける。

形式として前田式メモを使っているわけではありませんが、書くことで考えを深めるという意味では、今のnoteやジャーナリングにも通じる部分があります。

私にとっては、きれいに枠を分けて書くよりも、その日の気持ちや気づきを自分の言葉で書きながら、少しずつ考えを整理していく方が合っていたのかもしれません。

一点突破できていない自分にも気づいた

講演会で「一点突破」という話を聞いたとき、当時の私はまず、自分は手を広げすぎているのではないかと思いました。

Instagram、YouTube、Twitter、ブログ。

いろいろな場所で発信しているけれど、本当に一点突破するなら、どれかひとつに絞った方が良いのではないか。

当時はそんなふうに受け取っていたのだと思います。

あれから6年ほど経ちましたが、正直に言うと、今の私もこのときとあまり変わっていません。

ひとつの場所だけに絞って、一点突破できているとは言えない状態です。

ブログを書き、YouTubeを更新し、noteを書き、SNSにも投稿する。

今もいくつもの場所に手を伸ばしながら、日々の発信を続けています。

ただ、今振り返ると、「一点突破」は必ずしも媒体をひとつに絞ることだけではないのかもしれません。

Instagramだけ、YouTubeだけ、ブログだけと場所を絞る方法もあります。

けれど、発信している場所が複数あっても、その中に通っている軸があれば、それもひとつの「好き」を育てている途中なのだと思います。

私の場合は、料理、ブログ、手帳、note、動画。

一見ばらばらに見えても、どれも「書くこと」「伝えること」「日々の気づきを残すこと」につながっています。

一点突破できていない自分に少し焦りを感じつつも、複数の場所で続けてきたからこそ見えてきたものもあります。

今の私に必要なのは、すべてを急にやめてひとつに絞ることではなく、自分の中にある軸を見極めることなのかもしれません。

どこに力を注ぐのか。

何を育てていきたいのか。

前田さんが話されていた「見極めてから、やり切る」という言葉は、今の自分にこそ必要な言葉だと感じています。

形は変わっても、考え方は残っている

前田式メモそのものは、私には続きませんでした。

けれど、書くことで考えを深めること。
目の前の出来事を、そのまま受け取るだけで終わらせないこと。
自分の発信や日々の行動に、どう活かせるかを考えること。

そうした考え方は、今のnote、ジャーナリング、ブログ運営の中に形を変えて残っているように感じます。

当時は「メモ術」として見ていたものが、今振り返ると「自分の考え方を育てるための姿勢」だったのだと思います。

おわりに:前田式メモは続かなかったけれど、書くことの見方が変わった

講演会は、あっという間の2時間でした。

最後に質疑応答の時間も設けられていましたが、前田さんのお話がとても濃く、時間がなくなり実際に質問できた方は2名だけでした。

質疑応答コーナー

それくらい、ひとつひとつのテーマに対する回答が深く、聞きながらメモを取るだけでも精一杯でした。

講演後には懇親会も開かれましたが、時間の都合で前田さんはここで帰られることになり、もう少しお話を聞いてみたかったなという気持ちも残りました。

うさ子

サインをお願いしたり、2ショット写真を撮らせていただきたい…なんて思っていたのでとても残念に感じたことを覚えています。

ただ、今振り返ると、この講演会で聞いた言葉は、当時思っていた以上に自分の中に残っていたように感じます。

目の前の出来事をただ記録するのではなく、そこから何を感じたのか、自分の暮らしや発信にどう活かせるのかを考える。
その姿勢は、今のnoteやジャーナリング、ブログのリライトにもつながっているのではと感じます。

当時の私は、『メモの魔力』を「すごい人のメモ術」として受け取っていました。
でも今は、メモは特別な人だけのものではなく、自分の考えを育てるための身近な道具なのだと感じています。

『メモの魔力』は、前田裕二さんのメモ術だけでなく、物事の捉え方や思考の深め方にも触れられる一冊です。

自己分析をしてみたい方、自分の「好き」を見つけたい方、書くことで考えを整理したい方にとって、今読んでも学びの多い本だと思います。

私にとっても、発売当時の企画に参加させていただいた思い出とともに、今も大切に残しておきたい一冊です。

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これからも良い記事をお届けします!

椅子に座ったウサギと熊
前田裕二さん名古屋講演会レポ・メモの魔力

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