世の中にスパイスについて書かれた本は多種ありますが、これからスパイスを学びたい、スパイスやハーブをもっと身近に使いこなしていきたいという人にお勧めなのが今回ご紹介する「スパイスの科学」です。
内容をざっと説明
「スパイスとハーブの違いは?」
「スパイスの正しい使い方がわからない」
などなど、
よくある疑問が晴れ晴れと解消する1冊です。
スパイスの資格についてはこちら
スマホのみで資格取得ができるフォーミーさんでのスパイス資格取得について↓
スパイスの資格はこの他に「スパイス香辛料アドバイザー資格」(諒設計アーキテクトラーニング)がありますし
資格ではありませんが「スパイス&ハーブ検定」試験などもあります。
カレー好きはスパイス好き
カレーが好きでインド料理屋さん巡りをしているわたしは、いつしか自分でカレー粉をブレンドするようになり2017年はハウス食品さん×レシピブログさんの「スパイス大使」に就任。
通信講座にて先ほどご紹介した「スパイス&ハーブ資格」も取得しました。
自作カレー粉の作り方
混ぜるだけで簡単!
自分で作る愛着も湧きいつものカレーがより美味しく感じられます。
当然カレーはカレールウを使わずスパイスで作るのですが、自作しているうちにどんどんスパイスが増えていきますし、使い方の疑問点も多数湧き上がってきます。
そんなまだまだスパイスの勉強の入り口にしかいないわたしにとって大変勉強になったのがこちらの本です。
スパイス講義を受けてるような内容
武政三男さんの「スパイスの科学」(河出文庫)は専門的な内容がわかりやすく喋り言葉で綴られ、まるでスパイス講義を受けているよう。
文庫本で持ち運びやすいコンパクトサイズ。
キッチンに置いておきたい本です。
文字ばかりなので「写真がないとイメージが湧きにくい」 という方には不向きかもしれませんが読み物としても大変面白いです。
2015年執筆当時で「スパイス研究歴45年」という著者の深い知識をたっぷりと堪能できる1冊。
くどいようですが有料講習会を12回ほど受けているかのような内容です。
熱が出たので昨日はほぼ寝てました。
おかげで読書捗りましたhttps://t.co/eI3BX7LKF5
「スパイスの科学」
文字ばっかですがスパイス講義を受けてるよう。キッチンに置いておきたい1冊。
・スパイスとハーブの違いとは
・日本人の間違ったイメージ(スパイスは刺激的、ハーブは優しい)
・正しい使い方 pic.twitter.com/Ja2H2AiUd1— ≡ misuzu@肉食ゆる断糖 (@misumisu0722) 2018年1月4日
*1990年発行の「スパイスのサイエンス」を加筆修正したものです。
スパイス&ハーブ資格取得講座のテキストより詳しい!
本書の内容は
- 日本人の間違ったイメージ(スパイスは刺激的、ハーブは優しいなど)
- スパイスとハーブの違い
- スパイスの有効成分
- スパイス使いのための基礎知識
- 各スパイスの歴史や種類、見た目、香り、使い方
- ブランドの仕方
- プロのテクニック
などなど。
冒頭に書いた通りわたしはformie(フォーミー)さんの「スパイス&ハーブコンサルタント資格」を取得しています。
ですがスパイスの科学にはこの時のテキストの何倍も詳しく、またわかりやすく、細かなところまで書かれていました。
以下、本の内容から少しまとめご紹介します。
*******
スパイスは日本人に馴染みが深い
「スパイスは日本人の嗜好に合わない」と思ってませんか?
生姜、茗荷、蓬、紫蘇、セリ、三つ葉、辛子、山葵、大根、ネギ、ニラ、らっきょうなどなど
ニンニクや玉葱、パセリなども合わせると日本人が日々慣れ親しんでいるスパイスは30種類以上なんです。
「スパイス=香辛料」は適格な表現ではない
スパイスを日本語で表すと「香辛料」と答える人が多いのです。
実はスパイスとは「辛いもの」とか「刺激物」というものではないのですが、日本人が「香辛料」という言葉から受けるイメージはどうしても「辛い」とか「刺激的」と言ったイメージになりがちです。
辛いだけがスパイスではありません。
スパイスとは
スパイスの定義は
- 植物性のもの(香草、薬草、野草の類)
- 野菜や山菜などの類
- 薬味、香味料、調味料、香料として使うもの
これら全てを満たすのが「スパイス」でありこれを一言で表す日本語はありません。
ハーブとは
「スパイスとハーブの違いがよくわからない」方も多いのではないでしょうか。
ハーブはラテン語のherba(ヘルバ)からきており植物そのものです。
草本、草などを指しますが樹木は含まれません。
ハーブの事をよく「香りが良い草、身体に良い(美味しい)」などと形容する方が多いのですが、これも間違い。
食べられるかどうか、香りが良いかどうかでハーブかどうかが決まるわけではないのです。
(ハーブには食べられないものも含みます)
スパイスはハーブの中に含まれる
ハーブが草であると先ほど説明しましたが、スパイスはというと「ハーブの中に含まれる」と言えます。
スパイスとは
・ハーブを含めて食材として利用するもの(食用ではないものは含まれません)
・調味料・薬味として使うもの
・草だけでなく樹木も含まれます
日本人はスパイス好き
給食の人気メニューがカレーな事から考えても日本人はとにかくスパイスが好き。
各家庭にはトンカツソースやトマトケチャップなどスパイスを多種類含んだ調味料が好んで使われています。
スパイスの間違った使い方を正そう
「スパイスは薬臭い」とか「うまく使いこなせない」とか何故かマイナスイメージが多いスパイス。
「スパイスは日本人の嗜好には合わない」と思われがち。
ですがこれは使い方を間違えているからなんです。
これだけは覚えておきたい「スパイスの正しい使い方」
- スパイスは「辛い料理に使うもの」ではない
- スパイスは料理全体の味付けをするものではない(香りづけよりも色付けや臭み消しのために加える場合が多くある)
- スパイスは食べなくても良い(調理後に取り出すなど必ずしも食べなくて良い)
- 単品使いより複数使い(単品で使うとそのスパイスの香味が強く出すぎてしまう)
使用目的で分けられた各スパイスの解説
スパイスの用途で分けて
- 辛いスパイス
- 臭み消しのスパイス
- 香り付けのスパイス
- 着色に利用するスパイス
の4項目それぞれの代表的なスパイスについて歴史や見た目、味や香り、用途についてまとめられています。
パセリについての解説
その中から例えば日本人に馴染みが深いスパイス「パセリ」の項を見てみると
- 日本の品種は「パラマウント種」
- その他に「ナポリタンパセリ」と「ハンブルクパセリ」がある
- 日本への渡来は明治の初めにオランダから(それ以前との説もあり)
- パラマウント種は種子から栽培。二年草ですが一年草として栽培している
- 芳香成分は葉の部分に多く種子にはさほど含まれない
- 主成分はアピオールとα-ピネン
- アピオールは不揮発性油なので香り立ちが弱く食べて初めて強い香味を感じる、そしてナツメグの芳香成分ミリスチシンによく似ている
- 口臭を和らげる効果がありニンニク臭も消すほど
- 葉に鉄分、ヨウ素、ビタミンCなどが多い
- 飾り付けとしてなら殆ど全ての料理に合う
- 残った茎はブーケガルニに使用
- 乾燥パセリは青臭さがないので生より手軽に使用できる
などなど。
各スパイスごとにこれだけ詳しく書かれているんです。
******以上参考・2015年発行「スパイスの科学」武政三男(河出文庫)
得られる内容から考えて断然お得
資格講座は「資格を取る」事にお金を払うわけですから比べるのはちょっと筋違いかと思いますが、学べる内容はこちらの本の方がはるかに上。
「資格が欲しい」よりも「とりあえず学びたい」という人にはこちらの文庫本を断然お勧めします。
なんといっても740円(+税・値段は2018年現在)ですからね。
このお値段でそれ以上の価値を得られてなんてお得なんだろうと読みながら申し訳なくなってくるくらい。
これからスパイスの勉強をされたい方に是非お勧めの文庫本です。
楽天ROOMでお気に入り品をご紹介しています