熱狂的ファンの多いフランス製ホーロー鍋「staub」
おしゃれな見た目と他の鍋にはないおいしい調理が魅力ですよね!
今回は、staubデモンストレーター菅谷さんの講習会に参加しましたので、その内容を皆様にも共有させていただきます。
今回の講習会も松坂屋名古屋店さんの企画です。
松坂屋名古屋店さんのアンバサダーをさせていただいているのでいろいろな企画を催してくださいます。
いつも素敵な企画をありがとうございます!
staub(ストウブ)鍋とは
そもそもストウブ鍋とはどんなお鍋なのでしょうか?
ストウブ鍋とは鉄素材のフランス産ホーロー鍋です。
どっしりとした重厚感や見た目のオシャレさ。デザイン面だけでなく実用性も兼ね備えた人気のお鍋なんです。
ストウブ(staub)はフランス・アルザス地方の調理器具メーカー。黒い厚手の鍋「ピコ・ココット」が有名。蓋の裏に付いているピコ(突起)が、素材から出る蒸気を再び水滴化し、ふっくらしっとり仕上げる仕組みを特徴とする…(引用:ウィキペディア )
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%96
日本への上陸は2004年。
2008年にツヴィリング・J.A.・ヘンケルスグループになっています。
とても楽しい見学でした!刃物にご興味ある方はぜひご一読ください。
ストウブ鍋でできること
ストウブ鍋は多用途に使えるお鍋です。
煮る、炊く、蒸す、焼く、、と幅広い使い方が可能!
また、全ての熱源に対応してるのでガスコンロのみならずオーブンでもIHでも使用できます。
(画像はストウブ鍋付属リーフレットより引用)
ストウブ鍋の内部は全てざらついた加工(黒マットエマイユ)になります。
黒マットエマイユ加工の細かなざらつきにより油馴染みが良くなり、焦げ付きにくくなります。
ストウブの色による違い
売り場でストウブ鍋を見たことがある方なら気づいているかもしれませんが、ストウブ鍋は鮮やかなカラーとツヤツヤした表面が特徴的。
ですが黒いストウブ鍋だけはざらついています。
この違い、ずっと気になってたんですよね。
下の写真をご覧ください。
手前がストウブ鍋の黒です。ざらついてますね。
その奥はストウブ鍋のグレー。
蓋が開いているのでちょっとわかりにくいかもしれませんが、こちらはツヤっとしています。
色の付いたストウブ鍋は「マジョリカシリーズ」。
先ほどストウブ鍋の内部はすべて黒マットエマイユ加工だと申しましたが、実はストウブ鍋は中も外も全て黒マットエマイユ加工なのです。
色のついたマジョリカシリーズには、黒マットエマイユの上にエマイユ(=ホーロ)加工を施し色を付けています。
つまりざらついた黒いストウブ鍋が素の状態、、!
色のついたストウブ鍋はザラついた黒の上から色をつけている、と言うことです。
ストウブ鍋が本体カラーによって値段が違うのもこのため。
色を出す行程が多いものはお値段高くなっています。
見た目がおしゃれだから高いと言うわけではないですね。
ストウブ講習会内容
今回の講習会は大きく分けて4つの内容について教わりました。
- ストウブ鍋のシリーズの違いについて
- 新しいstaubを迎え入れたらまず行う「鍋おろし」について
- 炊く、蒸す、煮る、焼くの基本調理
- WaNABEで何ができるのか
- 定番ライン「ラ・ココット・ラウンド」
- ジャポネスクシリーズの「WaNABE」「ラ・ココットde GOHAN」
- 鍋料理とグリルができる「スキヤキ&グリルパン」
この4種のお鍋を使った講習会です。
緊張とワクワクでいっぱいでした!
ジャポネスクシリーズとは
まずはストウブ鍋それぞれの特徴についての説明を聞きました。
ストウブ鍋の定番ライン「ラ・ココット・ラウンド」を見た事がある方は多いかと思います。
フラットな蓋が特徴的ですね。
ではジャポネスクシリーズとはどのような鍋なのでしょうか?
ジャポネスクシリーズは、蓋が丸くドーム状になっています。また、底が丸みを帯びている形状です。
見た目が全然違うんですね。
下の写真をご覧ください。
右上のコロンとしたフォルムのグレー鍋がWaNABE(ジャポネスクライン)です。
そして、手前と奥、蓋が平らでどっしりとしているのが(赤と緑)ココットラウンド。
同じMサイズでもラウンドと比べるとWaNABEの方が若干小さめになります。
食文化を語る上で和食は今やとても重要な存在であり人気のある、注目されている食文化です。
ジャポネスクシリーズ誕生の背景には、そんな和食を楽しく美味しく作るお手伝いをするためという思いがあるとのこと。
ジャパネスクシリーズは底が丸いので、鍋底からしっかり対流。食材に味しみ良くなる構造になっています。
だから和食に向くお鍋なんですね!
出汁や食材の旨味を活かす調理が特徴な和食に特化したお鍋なんです。
ストウブの蓋の裏の突起とは
ココットラウンドとジャポネスクシリーズとの違いはもう1つあります。
実は蓋の裏の突起の形が違うんです。
staub鍋の蓋の裏の突起についてご存知ですか?
実はこれがストウブ鍋料理の美味しさの秘密。
特に無水調理などすると違いが大きくわかるのですが、加熱中に蓋の裏の突起に食材の水分が溜まるようになっています。
その水分が加熱中に食材に満遍なく降り注ぐ。
これによって食材の旨味を最大限に引き出したふっくらとした調理が可能なんです。
2つの鍋の蓋の裏を見比べてみましょう。
上の写真の左が、ラ・ココット・ラウンド。
右が、ジャポネスクラインのWaNABEです。
突起の形がこのように違います。
- フラットな蓋の鍋には丸い点:ピコ
- ドーム状の蓋の鍋にはレ点:システラ
突起の形が違うのは、蓋の形状の違いからきています。
フラットな蓋には丸い点で水分をくっつけることができるのですが、ドーム状の蓋の場合はそれだけではうまく水分を保持できないのです。
そのため、蓋がカーブしているジャポネスクラインでは突起の形がレ点のようになっています。
staubデモンストレーター菅谷さんのお話はこちら。下のXのポスト返信欄に菅谷さんが説明されている動画を載せています。
>>動画ポストへの直接のリンクはこちらhttps://x.com/misumisu0722/status/939394670592892929?s=61&t=FGkSvvls6hQjSyOjqxlXUA
蓋の裏の時には名前がついており、ジャポネスクシリーズはシステラ。平らな蓋のシリーズはピコと言います。
どちらも食材から出る水滴を貯め、それを食材に戻してくれます。
ストウブ鍋おろしのやり方
次はストウブ鍋を買ったらまずすること、鍋おろしの方法です。
これを行うと鍋が長持ちするそうです。
箱から取り出します
では、まずは箱から取り出していきましょう。
ストウブ鍋が入っている箱はとっても頑丈ですよね。
箱を開ける時はいつもワクワクします。
鍋の縁に4箇所、白いクリップがはめてあります。
これは輸送の段階で蓋や本体が痛まないように噛ませているもの。
家庭での収納には不要なものだそうです。
このクリップをはめて収納してらっしゃる方もたまにいらっしゃるとのお話でしたが、不要なものなので破棄してくださいとのことです。
次はシールを剥がします。
シールは鍋の中、側面、底に貼ってあるので全て剥がします。
ストレスなく、簡単に剥がせるシールではありますが、万が一剥がれにくい場合はシールをドライヤーの熱で温めてから剥がすと綺麗に剥がれるそうですよ。
それから全体を軽く水洗いします。
油を馴染ませます
洗った鍋を拭いて、中火にかけます。
火にかけた状態で油を注ぎ入れます。厚手のキッチンペーパーで鍋全体に油を染み込ませていきます。
#staub 鍋おろし。
軽く水洗いして中火にかけ、油を底と側面、それから縁、蓋の縁まで馴染ませるそうです。#キッチンネットプラスアンバサダー#松坂屋名古屋店 pic.twitter.com/qQDsl3K5as— ≡ misuzu@肉食ゆる断糖 (@misumisu0722) 2017年12月9日
ここでのポイントは油を馴染ませる範囲です。
上のXポストの深谷さん説明の動画を見ていただけるとわかりますが、鍋おろしで油を馴染ませるのは鍋の中だけではないんです。
鍋底から側面まで。厚手のキッチンペーパーを使ってぐるっと全体に油を馴染ませたら、次はお鍋の縁。
それから蓋の周りをぐるっと一周塗り込めます。
ここまで油を馴染ませたら鍋おろしの完了です。
ストウブの基本調理
ストウブ鍋の説明の後、いよいよ調理実演を見学しました。
ストウブ焼き芋
まずは焼き芋。
これぞstaub!一番違いがわかるのが焼き芋だそうです。
ホーロー鍋は数あれど、どの鍋よりもストーブ鍋が1番美味しく作れる。作り比べてみるとしっかりと違いを感じる定番料理が焼き芋なんだそう。
甘味しっかり、ねっとり濃厚に仕上がります。
ここではざっくりと、ストウブ焼き芋の作り方をご説明しますね。
お鍋にアルミホイルかオーブンシートを敷いてさつまいもをのせ、蓋をして中火にかけます。
40分〜50分ほど中火にかけたら出来上がり。
加熱の途中で一度天地を返します。
ストウブご飯
staubでごはんを炊くとお米の粒ひとつひとつが立った艶やかで美味しいご飯が炊き上がります。
これは、以前の記事松坂屋名古屋店さんの「クックアシストコーナー」で試させて頂いた時にも感じました。
>>staubでふんわりご飯を美味しく炊こう
今回は、白ごはんではなく里芋ごはんを作っていただきました。
里芋のネバネバ成分ルチンをそのまま炊き込んだ美味しいです。
ストウブでご飯は美味しく炊けるし、お芋はほくほく甘く仕上がるし、、、この組み合わせは止まらないおいしさですね!
講習会では炊飯には「ラココットde GOHAN」の(S)を使っていました。
ですがWaNABEでもラウンドでも炊飯は可能。
お手持ちのストーブ鍋で試してみてください。
上の写真は手前(左)がココットdeGOHAN。奥(右)がWaNABEです。
同じSサイズなのですが、WaNABEの方が間口が広いんです。
菅谷さんのお話では、WaNABEは「1人分の鯛めし」などにピッタリだそう。
ストウブで里芋ごはんの材料
白米 1合
水 1合
里芋 2個
白だし 大1
「沸騰」の見極め方
ストウブ鍋でのご飯の炊き方は以下の手順。
- 蓋をせず中火にかける
- 鍋の中央までぶくぶくと沸騰してきたら底からかき混ぜる
- 蓋をして一呼吸おいて(約2秒後)弱火にする
でも、「沸騰してきたら」という表現ではどのタイミングなのかが難しくないですか?
人によって千差万別だそうで、意外とこの見極めが難しいそう。
下のポストは菅谷さんのストウブごはんの炊き方の説明動画です。
動画をご覧いただくとわかりますが、講習会では里芋ご飯だったので沸騰の見極めがちょっと難しいですよね。
その場で見ていた私も実はイマイチよくわかりませんでした。
今でもなんとなくの自分の感覚で炊飯をしています。。。!!
講習会で伺ったストウブでの炊飯のポイントをまとめますね。
まずは鍋の中央までしっかりとぐつぐつ沸かせます。この部分の動画が撮れていなかったのですが思っていたよりも長めに待ちました。
鍋の側面の周囲からぶくぶくと泡立ち始めますが、その状態で混ぜるのはまだ早い。
しっかりと中央まで沸かせてください。
大きい鍋で少ない量のご飯を炊く場合は中央まで沸くのを待っていると水が干上がってしまうことがありませんか?
「蓋を開けて中火にかける」この炊き方だと鍋サイズに対して米量が少ない場合、失敗しやすくなります。
講習会の後、自分で炊いてその失敗をしました。
少ない量のご飯を大きい鍋で炊きたい場合は中火で加熱している際、蓋を少しずらしてかぶせておくと干上がりが防げます。
ストウブの炊飯量の目安
ストウブ鍋の種類別推奨米量はこちら。
- 14cm:0.5〜1合
- 16cm:0.5〜1.5合
- 20cm:2〜3合
- 22cm:3〜4合
- 24cm:4〜5合
- S (12cm):1合
- M (16cm):2合
- L (20cm) :3〜5合
*出典:https://www.zwilling.com/jp/staub/cast-iron/staub-la-cocotte-de-gohan/
- S (16cm) :1〜1.5合
- M (18cm):1〜2.5合
- L (20cm):2〜3.5合
炊きたいご飯の量に合わせた鍋サイズを使うと失敗なく炊けます。
炊飯方法の説明に戻りますね。
中央まで沸いたら底から全体を「の」の字を書くようにひと混ぜ。するとカニ穴が現れます。
このカニ穴を確認したら蓋をして2呼吸おきます(ここで2秒待つ事で圧がかかります)
それから弱火にして10分炊きます。(1合の場合は8分です)
ベストなタイミングで炊けると、とってもおいしいご飯が出来上がります。
炊けたら火を止め10分蒸らします。
出来上がりの動画は以下ポストのツリーに載せています。
しっかりと蒸らせばstaubは底や側面にご飯がこびりつかないんです!
この里芋ご飯、とってもおいしかったです!!
刻んだ柚子の皮を散らして完成です!
ストウブでおひとり様カニ鍋
次はstaub WaNABE(S)を使います。
WaNABE(S)は一人分の鍋料理にぴったりサイズ。
実は私は一人カニ鍋を楽しんだことがなかったのですが、これはぜひ試してみたいです!
では、作っていきましょう!
WaNABEに出し汁、カニ、お野菜、椎茸を入れて火にかけます。
最後に刻んだ水菜を加えます。
ストウブで蒸し野菜
ストウブ鍋での蒸し野菜は、蒸篭に負けない美味しさなんだそうです。ここで使用したのもWaNABEでした。
カリフラワーとブロッコリーの旨味がぎゅっと詰まっています。
材料
カリフラワー 適量
ブロッコリー 適量
水 大1
加える水はたった大さじ1杯。
この15ccのお水で蒸篭で蒸したような美味しさに仕上がります!
作り方はとっても簡単で、staub鍋に野菜を詰め、水を加えて蓋をします。12分ほど火にかけます。
ストウブでチーズフォンデュ
ストウブ鍋でチーズフォンデュが作れるんですね!
ストウブにはフォンデュポットもありますが、講習会で使用したのは先ほど同様WaNABEです。
WaNABEにチーズフォンデュキットを入れ、温めます。(記憶が定かではありませんが、この時使用していたチーズフォンデュは市販のキットだったと思います)
ストウブ鍋は冷めにくいので熱源がなくともこのまま食卓に出してしばらく温かいとのこと。手持ちのストウブ鍋でチーズフォンデュが楽しめるなんて、手軽で嬉しいですね。
チーズフォンデュにはバケットを添えました。
私が注目したのは包丁です。
ZWILLINGさんの「ツヴィリングアーク」を使用されていました。バケットがスパッスパッと切れていましたよ。
ストウブでグリル野菜
最後は「スキヤキ&グリル」を使ったグリル野菜。
リブがついているので縞々模様のやきめがつくんです。焦げ付かずやけますよ。
鍋として、そしてグリルとして多機能に使えるお鍋です。
お野菜はクイックオイルマリネして使用していました。
スライスした南瓜、パプリカをビニール袋に入れ、オイルを加えてふり混ぜます。
staubに油は敷きません。
グリルをしっかりと強火で予熱し、野菜をじゅっと並べて焼き上げます。
野菜を置いた時に「ジュッ」と音がするほどしっかりとグリルを熱してから焼くのがポイント。
菅谷さんのデモの動画はこちら↓
オイルマリネしてしっかり余熱をしたグリルで焼くだけ。
この南瓜甘味があってとても美味しかったです。焼き目のシマシマ模様が美味しそうなので「 #シマシマ部」というタグがあるそうです。
(覗いてみました)#staub#松坂屋名古屋店#キッチンネットプラスアンバサダー pic.twitter.com/QuoRFudbUc— ≡ misuzu@肉食ゆる断糖 (@misumisu0722) 2017年12月9日
基本的には直接食材を乗せて焼けますが、鮭の幽庵焼きなど焦げ付きやすいものにはオーブンシートを使います。
クッキングシートを敷いて焼いても焼き目がしっかり付くそうです!
WaNABEで照り焼きチキン
ワナベの魅力を余すことなく伺うはずでしたが、ここで時間がなくなりました。
ストウブワナベの照り焼きチキンは今回は拝見できませんでしたがこれがとても美味しいそうです!
ワナベでチキンソテー
では、講習会で伺ったWaNABEでチキンソテーのレシピをご紹介します。
- staubをしっかり熱します。
- 鶏もも肉を皮目から入れ、蓋をします。
- 中火にかけ、鶏肉1/2枚なら15分(WaNABE S)、1枚なら20分(WaNABE M)加熱します。
- 加熱途中、もし気になったら蓋を開けても大丈夫。鶏肉の裏(皮目)を見てみましょう。焦げ付いていなければその火加減で合っています。そのまま蓋をして残り時間焼きます。
これで出来上がりです!
裏返さず片面だけ焼いて仕上げます。
最後に
以上が講習会の内容です。staubの魅力溢れる講習会でした!
さすがstaubデモンストレーター!
staubの知識が豊富でトークが澱みなく手慣れているのはもちろんのこと、お料理の知識も豊富で手際も良くたくさんのお料理と説明をギュギュッと濃縮した短時間でこなされていました。
なんといっても講師の菅谷さんのstaubへの愛が溢れているところが素敵!
2時間くらいのボリュームの講座を1時間でスピード仕上げできたのも菅谷さんの腕ならでは。
おかげで大変いろいろな事が伺えました。
(添えられたナフキンも可愛らしいものでした!)
ZWILLING社さんは何においても皆さんプロ意識を持たれた素晴らしい仕事をされますね。
ますますZWILLINGさんが好きになる、そんな講習でした。
ストウブデモンストレーターさんお勧め本
ストウブレシピ本はいろいろなものが出版されていますよね。
どれを買おうか迷った事はありませんか?
今回、菅谷さんに伺ったお勧めの料理本をご紹介します。
講習会の後、私も買っちゃいました!
以下に商品リンクを貼っておきますね。
今泉久美さん「ストウブ」でいつもの料理をもっとおいしく!
和知徹さん銀座マルディグラのストウブ・レシピ
藤原恵美子さんストウブで「重ね煮」
皆様も素敵なストウブ鍋ライフをお楽しみ下さい!
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